舞台芸術を未来に繋ぐ基金:第1回助成報告会見実施(6/29)
第1回 助成報告会見 #butainomirai (2020/06/29 MON 21:00配信)
6月29日の生会見では、前述の統計データについてグラフを交えて詳細にお伝えすると同時に、基金のこれまでの活動経過と今後の目標についてお話しいたしました。これまでご支援いただいた方、現在ご支援をご検討中の方、また今後の基金の動向に注目されている方は是非ご視聴ください(アーカイブ有り)。
●登壇者: 宋元燮、杉本宏(発起人)
板垣恭一、伊礼彼方(賛同人代表)
応募総数は9日間で、個人、団体・企業あわせて1370件
「舞台芸術を未来に繋ぐ基金(以下みらい基金)」は新型コロナウィルスにより活動停止を余儀なくされた舞台芸術関係者=主に個人(出演者・クリエイター・スタッフ)を対象に金銭的な支援を行うために去る4月28日に発足されました。
発足と同時にクラウドファンディングサイトMotionGallery上で寄付金を募り始め、6月1日からそれまでに積み上がった寄付金3,150万円を原資に助成申請受付を開始し、6月21日に審査会が開催され採択者が決定するに至りました。
申請者には採択・不採択に関わらず、6月26日より順次ご連絡さしあげる運びとなっています。
応募数の内訳は以下の通りです。
応募総数:個人1177件、団体・企業193件
採択数:個人75件、団体・企業9件
採択率6%も、応募状況から見えてきたもの
予想を遥かに上回る応募数により、原資不足から採択率は僅か6%に留まりましが、応募者の申請内容から一般的なコロナ関連アンケートとはまた少し違った現状を垣間見る事が出来ました。
●個人申請者の主な年齢層:20-30代が半数を占める
基金の名称通り、舞台芸術界の未来を支える多くの若手の方達から応募がありました。
引き続き逼迫する若手層を支援していけたらと考えています。
●無収入の率:個人64% / 団体51%
緊急事態宣言期間を含むおよそ3ヶ月の間、半数を超える方々が本業である舞台芸術から収入を得られない状況が続いていた事が分かります。現在は劇場の段階的再開、配信等で一部では活動復帰の動きも見られるようになっています。
●給付金・助成金・貸付金の利用率:個人84%/団体74%
ほとんどの方が行政機関による制度を利用して自助努力されている事が伺えます。
●個人申請者の現在の収入源(複数回答)
*舞台芸術関連の仕事から現状収入を得ているのは回答者の33%
*オンライン配信やレッスン開催から収入を得ているのは、それぞれ回答者の38%と29%
*一方で、回答者の27%は舞台と関わりのないアルバイトから収入を得ていました。
中には私財を売却しているという回答もありました(7%)。
それぞれにご自身の置かれている状況から現状の打破に努めている事が伺えます。
●当助成金の利用用途
*オンライン配信を可能にするための機材購入等が目立っていました(47%)
*続いて人件費(24%)や固定費補填(13%)などが多かったです。
いずれも活動を継続し、次へ繋げるトライのための助成金利用である事が伺えます。
●今後の地域・社会貢献について(記述式)
特に多かったのは、芸術鑑賞機会の少ない層・難しい層を対象にしたオンライン配信の実施、演劇を用いたコミュニケーション能力の向上を目指した児童や生徒向けプログラムの開催、地域との交流の場の創造、創作活動を通じた地域の魅力の掘り起こしやマイノリティ層の活躍の後押しなどでした。
社会とのリンクを一つのテーマとしている当基金としては、申請者の方々の今後の活動に注目していきたいです。